ゲーム理論から見る情報商材の不利益性

今日、ニュースでFXや株投資などの情報を販売する情報商材のいざこざ??が世間を惑わせています。端的にいうと大きく分けて二つの乖離が、情報販売者側と購入者側で起きています。“お金を払ったのに、実際やってみると最初言われた説明と違う”と“お金を稼ぐためには、仲間を増やし続けなければならない”の二つです。一見すると両者は同じように見えます。しかし、大別すると前者は詐欺であり、後者は情報商材そのものの崩壊を意味します。いずれの理由にせよ、情報商材はそれほど危険ということです。(いい情報商材があれば是非紹介してください!!SNSで経営学教員ですという素性を明かして、情報商材に興味があります!と言っても誰も連絡をくれません・・・

 さて、ゲーム理論とは“ある一定の範囲内において、ゲーム相手の行動を鑑み、自身がよりメリットを享受するにはどうすればいいのか”ということができます。ここでは情報提供側とその購入者側の二人のゲームを考えましょう。 

情報提供者側のメリットは、情報商材を売り金銭を得ること。

情報購入者側のメリットは、情報商材により金銭を得ること。

ステップとしては、情報商材を売る(情報提供者側のメリット)→情報商材を利用(情報購入者側のメリット)という段階があることに留意しなければなりません。

情報そのものに価値があるということはどういうことでしょうか。今回の件に限って言うとそれは『希少性』です。“みんなが知らない情報だから”“新しい方法が見つかった”などなど。だから多くの購入者は“この情報さえ手に入れば自分もうまくいく”と考えるわけです。それは誰もがそう思うでしょう。

情報提供者側の立場に立って考えてみます。情報提供者側は、“自分も成功した”“一緒に成功者になろう”“優雅な生活をしよう”というわけです。実際に成功しているのであるならば、信憑性が高いです。ただし、今回売買の対象は“ただの情報”ではなく『希少性』のある情報です。売れば売るほど情報は陳腐化して希少性は無くなりませんか??そもそも、その情報で儲かっているならば、情報を売る必要はありませんよね??矛盾が生じてしまいます。

では図で見てみましょう。いくつかの条件を設定します。

・市場のΠは100とする

・情報を得れば市場全数を獲得することができる

・獲得できるプレーヤーが複数いた場合、等分する

まず表1をみてください。情報が本物だった場合、情報提供者は情報を提供しなければ常に100を得ることができます。もし、情報を提供し購入されてしまったら、50しか得ることができません。したがって、その情報が本物であるならば情報提供者は情報を提供しない方が自身にとってメリットがあるのです。

次に表2をみてください。情報が偽物だった場合、情報提供者は情報を提供するかつ購入者に購入してもらうことによってでしかメリットがありません。すなわち、情報提供者は何がなんでも情報を買ってもらうようにしつこく勧誘するのです。

さて、皆さんもお気づきのように、購入者がメリットを享受するには、本物の情報を購入するしかないのです。では、購入する前にその情報が本物かどうか判断する方法はあるのでしょうか。そんなのありません!!もし、情報が本物でも表1のように提供者は売りません。いずれにせよ、情報商材は無理ゲーなのです。一度買ってしまったら、誰かに売らなければ自分は損をしたままです。このように連鎖してしまいます。

ちなみに筆者は、いい情報持っています。誰か50万で買いませんか??半年で元が取れるのでそれ以上のメリットはあると思います。一緒に成功者になりましょう。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です